耐雪梅華香

先日、地元の高校野球の強豪である大府高校と母校の中京高校との間で毎年行なわれている親善試合についてテレビ放映されたものを見ました。

その親善試合は、レギュラー以外の3年生を中心にしたサポート部員のハレの舞台として用意されている試合。
愛知県の決勝が行なわれる球場で、場内アナウンスやチアリーダーも本大会さながらで行なわれているようでした。

開始時間が夕方からというのも、生徒を支えた家族が観戦しやすいようにとの配慮でしょう。

私たちが居た頃は、野球部と云えば入部から数ヶ月で7割の生徒が脱落し、その後も厳しい練習に耐えられない者、怪我に泣く者も多く、選手に成れるのはほんの一握りでした。
私が在籍していた相撲部は野球場(中京の場合はグランドではなく野球場でした)の3塁ベースのすぐ隣に道場がありましたので、より感慨深く見る事ができました。

 タイトルの耐雪梅華香とは、中京高校の(敢えて中京大中京ではなく)の校門を入ったところにあった大きな石碑に刻まれていた言葉です。

2年半の間、チームへの貢献を自分達の役割としてきたサポート部員達は、端から見れば華の無い存在に見えるかもしれません。

しかし、その仲間の献身や感謝が、チームにより強靭な意志をもたらし、彼らの人生においてかけがえのない財産となっていくのではないでしょうか?
厳しさは強靭な精神を養い、同じ釜の飯を喰ったチームメイトは、一生の仲間となるでしょう。
この二つはお金や理論で手に入るものではなく、他人と比較することも目にも見えないものですが、間違いなく人の人生においての財産となります。

野球に限らず、一つ事に無心に徹する時、必ず目に見えないご褒美が、将来用意されているのでしょう。
雪が深ければ深いほど、梅の華は強く、香り高く咲くのでしょう。

今年も春の選抜が始まりました。
全ての球児に、梅の華が咲きますように。

2013年 3月 27日掲載
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