外食でのお漬物

お客様の中には数多くの料理店さんがありますが、景気低迷からだと思いますが漬物も金額の安い海外で製造された物などを選ばれるようになり、お取引のなくなるお店も多くなってきました。
お断りされるときの言葉は様々ですが、つけもの屋としては、「お前のところは高い」といわれるよりも、「漬物は添え物だから・・・」と言われる事の方が悲しいです。

今も昔も、漬物は添え物であって決して食事の主役になることはありません。
しかし、食事の最後に食べられる事の多い漬物やお茶は、その食事の印象の良し悪しを少なからず左右します。

長い経験から言えるのは、漬物を安いものに変えていったお店はその後閉店していってしまうことが多いという事です。
先日、以前お取引のあったお店がまた一軒なくなりました。

立派な店構えで、料理も美味しいのに、最後に出てきた漬物が安っぽい物だったり、自家製の一夜漬を作っていても塩が辛すぎるものや少々臭うものが平気で出てきたりするお店もけっこうあります。

作り手にとっては日常の「ケ」であっても、食べに来てくださるお客様にとっては特別な「ハレ」の日であるはずです。
駐車場にゴミが落ちていても、部屋の片隅の埃、テーブルのほんの少しの汚れでも、お客様の気持ちは台無しになるかもしれません。

お料理の代金に対してお漬物のコストは1~2%だとすると、そこまで削るようになるまでには、それ以前にもっと大きなコストの物もそういう意識で選んでいるのではないでしょうか。

お店の方はコストの削減を考える前に、お客様に気持ちよくお使いいただけるお店かどうかを考えてほしいと思う昨今です。

2012年 10月 04日掲載
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